2022年5月 9日現在
海浜植物園の開花状況や見ごろの植物の情報をお知らせします♪
チロリアンランプとも呼ばれます。アオイ科イチビ属の半つる性の低木です。様々な園芸品種があります。園内ではメインホールと温室をつなぐ通路沿いのプランターに植栽しています。
オオアラセイトウ、ハナダイコン, ヒロハハナダイコンとも呼ばれます。アブラナ科の2年草です。中国原産で中国では野菜として食べられるほか、ナタネのようにタネから油を採ることができます。日本では戦前から各地で栽培されていますが、全国各地で逸出が確認されています。園内ではメインホールと温室をつなぐ通路沿いのプランターに植栽しています。
庭や沿道などによく植えられているランの仲間で、5月の連休前からピンクの目立つ花を咲かせます。本州(福島県以南)、四国、九州と沖縄に自生していますが採取圧が高く、野生ものは各地で少なくなっています。タネはホコリのように細かく遠くまで飛んで、野外で見かけても自生か逸出かよくわからない場合が多いです。園内では温室の外側やふれあい園に植栽しています。
オクナ科の植物でアフリカ南東部原産です。花弁が落ちた後に花床が赤くなって盛り上がり、黒い丸い果実がつきます。その様子がミッキーマウスの顔に似ているのでこの名が付きました。
ベニコスモスとも呼ばれます。花はチョコレートのような香りがすると言いますが、皆さんはどんな印象ですか? チョコレートコスモスとキバナコスモスと掛け合わせて、ストロベリーコスモスも作られたそうです。
熱帯を代表する花木でイカダカズラとも呼ばれます。オシロイバナ科の植物で、中央アメリカや南アメリカ原産です。花のように見えるのは苞(ほう)で、赤色、ピンク、黄色、白色など様々な色があり、中央に3つの花があります。若い木は低木のようですが、大きくなるにつれてつる状になり他の植物に寄りかかって育ちます。幹にはトゲがあって触れると痛いです。本園では温室とグラスチューブに、様々な苞の色の株を植栽しています。
本園では3種類のサクラランの仲間を展示しています。今、開花しているのはHoya pubicalyxという種類でフィリピン原産です。肉厚の葉と傘を逆に開いたような花序が特徴で、花冠にはビロード状の毛があります。日本にも野生のサクラランがあり、九州南部~沖縄に分布しています。
オーストラリア原産です。キンポウジュ、カリステモン、ハナマキとも呼ばれます。果実は固く閉じていますが、山火事が起こると開いて粉のようなタネをまき散らします。
トケイソウ科の植物でパッションフルーツと近縁の仲間です。トケイソウとホザキトケイソウの雑種と言われています。
アオマツリやブルームーンと呼ばれることもあります。南アフリカ原産で、花の形がマツリカ(アラビアジャスミン)に似ていることからその名が付けられました。ルリマツリの花はジャスミンのように良い香りはしません。
ホコバテイキンザクラ,ヤハズヤトロファなどと呼ばれることもあります。西インド諸島原産で、トウダイグサ科の植物です。「テイキン」とはバイオリンのことで、葉がバイオリンの形に似ているのでその名がつけられました。
本園ではトゲナシキリン(Euphorbia geroldii)ととげのないハナキリン(Euphorbia milii var. splendens)の2種類を展示しています。花弁に見えるのは苞(ほう)で中央に雄花と雌花があります。苞は赤色のほかに黄色や白色になるものもあります。
メキシコ原産のキツネノマゴ科の植物です。緩く曲がった穂状の花序はまさにエビのしっぽのようです。苞(ほう)が白くなるシロバナコエビソウ(Justicia betonica)はアフリカ、熱帯アジア原産です。
アフリカシタキヅル、ステファノティスやマダガスカルシタキソウとも呼ばれます。キョウチクトウ科の植物で、花が咲くと周辺が良い香りに包まれます。マンゴーのような大きな果実を付けますが、中にジューシーな果肉はなく、白い毛がついたタネが入っています。園内ではちょうど今、つぼみと果実の両方を見ることができます。
ハマナスと呼ばれることもあります。北方系の植物で、北海道から山陰(島根県)までの日本海側と千葉県までの太平洋側の海岸に分布しています。富山県でも自生のものは減っていて、絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類)に指定されています。海岸付近の路傍や公園に植栽されることも多く、県外から持ち込まれた株と自生の株との交雑が心配されています。
ヨーロッパ原産の外来植物です。青紫色の可憐な花をつけますが旺盛な繁殖力があり、日本各地で分布を広げています。海岸付近で見かけることも多いです。この植物が繁茂すると地面を覆うだけでなく他感作用物質を出すため、他の植物は生えられなくなってしまいます。
北陸の低地に生える松はクロマツとアカマツの2種類で、クロマツは海岸付近にアカマツは内陸に多いです。写真は左が雌花、右が雄花です。雌花は今年伸びた枝の先につき、雄花はその元につきます。受粉後、雌花は膨らんで1年後に「まつぼっくり」になります。
砂浜海岸や海岸近くの路傍でよく見かけます。北海道から沖縄までのほぼ日本全土に分布しています。ハマダイコンは最近の研究で、鹿児島県の薩南諸島の南北で異なる系統であることがわかっています(Han et al. 2015, 2016)。
ヨーロッパ原産の外来植物です。日本各地に見られますが、特に日本海側の海岸近くに多い気がしています。ドライフラワーにすると素敵です。
日本海側の海岸付近に多い低木です。ひょうたんのような形の赤い実ができるので、ヒョウタンボクとも呼ばれます。花は最初白色ですが、次第に黄色に変わります。新しい花と古い花が同居する状態では金と銀の2色に見えることからこの名が付きました。西日本では全国的に減少傾向にあり、福井県ではすでに絶滅しています。
雌雄異株で写真の左が雄株、右が雌株です。砂浜の海に近い側に生えます。北海道から種子島までの砂浜に生育しています。沖縄にも古い記録はありますが、現存は確認されていません。富山県の砂浜では見かける植物です。
コウボウムギと違ってこちらは雌雄同種です。茎の先に雄花をつけ、その下に雌花をつけます。コウボウムギに比べて陸側に生育しています。コウボウムギはなくてもコウボウシバは見つかるところが多いです。
垣根に使われるニシキギの変種です。ニシキギには枝にコルク質の翼がありますが、コマユミにはありません。果実は熟すと裂開して赤色の仮種皮に包まれた種子をぶら下げます。
砂浜ではハマボウフウやカワラヨモギが生えているところよりも少し陸側で見かける気がします。砂浜以外でも、よく草刈がされる田んぼの畦、ため池の堤や河川敷にも生えています。葉の縁に長い毛があるのが特徴です。
ヨーロッパ原産の外来植物です。根元に近い稈(イネ科植物の茎のこと)に数珠のようなふくらみがあります。近年、日本各地で分布拡大中ですが、コバンソウと同様に日本海側に多い気がしています。
葉をべったり砂浜につけて生育していて、真夏の高温にどのように対処しているのか、興味深いです。松田江浜では5月に入ってようやく花が咲き始めました。これから秋まで次々と黄色い花を咲かせます。
ヨーロッパ原産の外来種で、海岸近くで見かけることが多いです。外来種ですが振る舞いは控えめで、在来種の生育を大きく阻害するほどではないようです。写真には雄しべが出ているのが写っています。
河川敷などに多いアキグミの変種とされ、海岸付近に生育しています。アキグミと比べて葉が幅広く丸くて肉厚です。海浜散策園にはマルバアキグミ以外にも複数種のグミ属植物が生育していて、現在、その正体を明らかにすべく調査中です。
富山の砂浜を代表する海浜植物の1つで、ほぼ全県の砂浜に見られます。砂浜だけでなく礫浜やクロマツ林の林床で見かけることも多いです。花全体が白いものをユキイロハマエンドウ、旗弁が淡紫色でそれ以外の部分が白いものをシロバナハマエンドウと呼びますが、同じ場所でも株によって色の濃淡には差があります。
「花だより」を更新しました。今回から雑草たちにもスポットライトをあてていきます。