今月の花だより（2023年12月27日）
現在開花している植物
温室
トックリアブラギリ（サンゴアブラギリ）
中央アメリカ原産、塊根植物（コーデックス）と呼ばれ幹元がトックリのようにふくらんでいるユニークなカタチと種から油を採る「キリ」の葉に似てこの名がついたとされます。サンゴに似た朱赤色の小さな花から「サンゴアブラギリ」の別名もあります。
トックリヤシ（写真左）
トックリつながりでマダガスカル沖マスカリン諸島原産のヤシ。名前のとおり幹がトックリのようにふくらんで愛嬌たっぷりのヤシ。花ことばを調べてみると「平和」とありました。見ていると心が和むような植物です。
トックリヤシモドキ（写真右）
名前に「…モドキ」とつくと「トックリヤシ」が本物で「トックリヤシモドキ」が偽物のように聞こえるかもしれません。植物を分類し、名前をつける人の立場に立ってみるとこうなりますが、植物というものは本来はどれもオンリーワンの存在なのです。こちらのヤシも九州など暖かい地方で街路樹のように植栽されるすらり美しいヤシです。
ブッソウゲ
夏頃からぽつりぽつり花を咲かせています。ハイビスカスの中でもこちらは沖縄で古くから栽培されている品種で「赤花（アカバナ―）」と呼ばれ、お供えに使ったり、食用にもなり、生活に密着した植物のようです。当園には様々なハイビスカスを展示しています。ピークは過ぎましたがまだ花をつけるものもあります。基本は1日花なので出会えたらラッキーですね。
リュウビンタイ（2024年の干支、辰・竜にちなんで
シダ植物なので花は咲きません。沖縄など森の深くや岩の上に着生するシダです。ゴツゴツした株元を竜のウロコに見立ててこの名がついたとされます。羽根状に広がる緑の葉姿が美しいですね。
ヒリュウシダ（2024年の干支、辰・竜にちなんで）
屋久島より南の暖かい地方に見られるシダ、2023年に植栽したもので当園のものはまだ小さいですが、原産地では漢字で竜が飛ぶシダと書くように２ｍぐらいに成長するものもあるそうです。
アオノリュウゼツラン（2024年の干支、辰・竜にちなんで）
植物男子に人気の肉厚な葉がかっこいい「アガベ」。メキシコや南アフリカに200種類以上あるとされ、和名の「リュウゼツラン（竜舌蘭）」はごつごつした葉を竜の舌に見立ててこの名がついたとされます。花は日本では数十年に1度開花するセンチュリープラントです。今のところ花が咲く気配はありませんが、どんな花なのか楽しみですね。
グラスチューブ（つる性植物・鉢物のコーナー）
ブーゲンビレア
真冬でも南国気分が味わえる植物。色鮮やかな花のように見えるのは苞といって葉っぱが変化したものです。花は中央に見える筒状の白い小さなものが花になります。写真はピンクのものですが、当園には苞の色が黄色のものや白いものも植栽されており、バリエーション豊かです。
トックリラン
トックリつながりで、もう1点。ランとつきますが「ラン（蘭）」の仲間ではありません。髪の毛のような葉っぱから「ポニーテール」の別名があります。バスタブくらいの大きさの植木鉢に天井まで届くくらいの大きさに成長。観葉植物としてもおなじみですが「こんな大きくなるの？」とみなさん驚かれます。こちらもめったに花が咲かないことで有名な植物です。
ベンガルヤハズカズラ
インドのベンガル地方原産とされ、空のように青い花を咲かせるので「スカイバイン」（バインはつる植物のこと）という別名もあります。当園のものはどちらかというと紫色の花ですが光の加減によって青く見えるのかな？近くに黄色のヤハズカズラも開花しています。
担当者からひとこと
2024年の干支、辰・竜がつく名前の植物など探してみました。書き忘れてましたが、ピタヤ（ドラゴンフルーツ）。花も実も終わって、現在はサンカクサボテンが竜のようにうねったあんどん仕立てで展示してあります。こちらも夏の夜、月下美人に似た花が咲き、ショッキングピンクの果実は近年氷見市内のスーパーでも見かけるようになりました。この植物からあんなきれいな花が咲いて、実ができるのが不思議な感じがします。名前に竜がつく植物はどれも動きがあって、花が咲いてなくてもどんな花が咲くのか？わくわく感があったりおもしろいものが多いです。2024年、そんな1年になることを祈って…