2024年1月17日現在
ベンケイソウの仲間。多肉質の葉と茎が丈夫で強いことから武蔵坊弁慶にちなんでこの名がついたとされます。英名は丸っこい葉っぱをコインに見立てて「dollar plant」。日本でも新芽の頃に5円玉の穴を通して縁起物として販売されていたことにちなんで「金の成る木」という別名の方がよく知られているかもしれません。冬に咲くピンクの花は見ていると暖かく感じます。
昨年からぽつりぽつり花を見かけます。浜に咲いて、沈丁花(じんちょうげ)に似た花が咲くことからこの名がついたとされます。淡水と海水が入り混じる海岸の湿地帯に自生する半マングローブ植物です。数の減少により自生地の沖縄、鹿児島、熊本、長崎、三重県では天然記念物に指定され、保護もかねて海岸や公園に植栽されます。
沖縄に広く自生し、旧暦の12月8日(今年は1月18日)はムーチ―の日といって、この植物の葉っぱでおもちを包んで食べ、厄を払い、家族の健康を祈る風習があるそうです。ショウガ科の植物らしい抗菌作用がありそうな葉っぱはアロマオイルや化粧水など作られ、癒される香りです。写真は園芸品種の「キフゲットウ(黄斑月桃)」の葉、観賞用に植えられます。
海浜植物で七草粥を作るとしたら、入れたい植物。南西諸島や沖縄に自生するセリ科の植物。香りが漢方薬の原料である「ボウフウ(防風)」に似て、葉っぱが「ボタン(牡丹)」に似ているのでこの名がついたとされます。沖縄では「長命草(ちょーみーぐさ)」と呼ばれる薬草です。この名前の青汁も販売されているようです。
メキシコ原産、ナス科の植物。カレーに入っているスパイス、「ウコン」の黄色と横から見るとラッパのような花のカタチから「ウコンラッパバナ」の和名があります。ラッパのカタチの大きな花はココナツのような甘―い香りがありました。
日本の本州、四国、九州、南西諸島など主に黒潮が流れる太平洋側の温暖な地域に自生する常緑低木。広葉樹のように見えますが、針葉樹です。葉っぱをよく見てみると、主脈のみがたてに線を引いたようにならんで見えます。ナギは漢字で「梛」と書き、「凪」(穏やかな海)に通じるとして、神社に植えられ、航海の安全など祈りが込められた植物。世界共通の植物のお名前、学名にも「Nageia nagi」 とあり、日本での呼び名がそのまま採用されています。
海浜植物で七草粥を作るとしたら、入れたい植物その2。関東~伊豆諸島、紀伊半島など主に太平洋側の暖かい地方に自生。今日葉を摘んでも明日には芽が出ると言われる生命力の強い植物。世界共通のお名前、学名にある「Angelica keiskei 」のKeiskeiは明治時代の植物学者、伊藤圭介(1803~1901)への献名。朝ドラで有名な牧野富太郎より先の時代、日本の植物学の基礎を作った人物で「おしべ」、「めしべ」、「花粉」という言葉の生みの親です。
ふれあい園には常緑樹の「マツ」や「タブノキ」、「ツバキ」などが植栽され、1年を通して緑があふれています。ツバキの原種「ヤブツバキ」は日本の本州から九州の海岸などで見られ、氷見市内でも「老谷の大ツバキ」をはじめツバキの大木が点在します。ふれあい園では現在つぼみのものが多いですが、海から冷たい風が吹く寒空の下、花を咲かせているものもあります。
花壇の花としておなじみ。いくつか園芸品種がありますが、原産はヒマラヤ山脈でアフガニスタンやネパール、パキスタン、タジキスタン、チベットなどに分布します。そう聞くと、こんな海の近くの側溝に咲いているのが不思議な感じがしますが、うちわに似た葉っぱから大岩団扇(おおいわうちわ)という別名もあり、見れば見るほど高山植物の佇まいです。
花だよりとなっていますが、葉っぱだけのものも多くなってしまいました。常緑樹の緑は冬も鮮やかで、寒空の下咲く花は見ていると暖かく感じますね。