2024年8月11日現在
当園は九州など暖かい海岸に自生する日本のソテツの他に、アフリカの乾燥地帯に自生する洋種ソテツを10種植栽しており、夏は新しい葉を展開し、新緑の時期となっています。どれも迫力満点。ソテツは恐竜時代からの生き残りとされ、「生きた化石」ともいわれます。恐竜はわけあって絶滅しましたが、オニソテツは自生地では絶滅危惧種になっているものも多く、現在はワシントン条約に守られた貴重で希少な存在なのです。
夏休み中、みんなのスケッチコーナーを設置して、温室内に紙と色鉛筆を置いています。トックリヤシを描いてくれる子も多く、よく特徴をとらえてあります。トックリヤシモドキは今年にはいって、何度か花が咲き、実のようなものも見えます。温室内は暑いですが、観察してみてくださいね。
主に太平洋側の温暖な地域に自生する海浜植物。6月の花だよりでは白い花が咲いておりましたが、現在は花も終わり、実がふくらみつつあります。茶色の部分は花の名残(おしべ?)です。実は玉ねぎのようにふくらんで、やがて重さで倒れます。自生地ではそのまま種が飛び出して、海水に浮き、海流にのって遠くへ運ばれます。どこの海岸にたどりつくのかな?
中南米原産のマメ科の常緑高木。日本に自生するネムノキに似て、花が終わった後に赤いさやができることからこの名がついたとされます。現在ポンポンのような軽やかな花がさいています。「エバーフレッシュ」、「エバーグリーン」という名で観葉植物として流通しており、夏も爽やかさを感じる植物ですね。
前回の花だよりで、斑入りの葉っぱをご紹介しましたが、現在は小さな鉢植えとは思えないぐらい花がたくさん咲いています。南国ムード漂う赤の花が美しく、うつむいて咲く姿も印象的ですね。
インドのベンガル地方原産のつる性植物。青紫色の花が涼しげです。こう見えて、繁殖力が強く、沖縄などで野生化しているそうです。
京都府丹後地域、兵庫県、鳥取県、島根県隠岐諸島など、主に日本海側に分布する海浜植物。瑠璃色の花を中国の洞庭湖(どうていこ)の水の色に例えて、この名がついたとされます。名前をつけた人はなかなか発想が豊かですね。葉や茎は白い毛で覆われ、全体的に白っぽいですが、涼しげな印象です。
チョコミントに入っていたりするミント、夏に開花します。そして花が咲く時期が最も香りが強いとされます。 写真はアップルミント(マルバハッカともいいます)。この日は、蝶々が遊びに来ていました。「ヤマトシジミ」かな?
ミソハギ科の落葉小高木。猿も滑り落ちそうなほど幹がすべすべなので、この名がついたとされます。漢字で「百日紅」と書くように夏から秋にかけて、約100日間、次々花を咲かせます。「ムクゲ」や「キョウチクトウ」と並んで公園などでよく見かける木ですが、改めて見てみると、名前がおもしろく、熱帯花木のように鮮やかで美しい花ですね。
浜に咲いて、香りがある「浜香」が名前の由来とされます。他にも砂浜を這うように生えるので「浜這(ハマハイ)」など、多くの呼び名があります。青い花は夏の空と海によく似合います。近づくと、ユーカリのようなすーっとした清涼感のある香りがします。線香の原料に使われてきた植物ですが、今どきは、この植物の香りを使ったクラフトジンも発売されているようです。大人の香りなのですね。
海浜植物園近くの海浜散策路は、木陰が多く、海から風が吹いて、涼しい場所もあります。たまに涼を感じる植物にも会えるかもしれません。涼しい日は散策してみて下さい。