2024年9月13日現在
温室の片隅で小さな星★を見つけました。九州南部から沖縄の海岸の草地や岩場に自生する海浜植物。愛媛県(伊予の国)で発見された「イヨカズラ」に似て、小さいのでヒメとつきます。ピアスぐらいの大きさのクリーム色の小さな花です。
奄美群島、沖縄諸島、台湾など海岸の波がかかるような岩場に自生する低木です。ウコン色(ウコンはショウガ科の植物で根をカレー粉など黄色の染料に利用します)の花で、木質化した茎の部分が松の樹肌に似て、この名がついたとされます。「キバナイソマツ」ともいいます。
沖縄諸島や台湾、中国南部、フィリピンなどの海岸の石灰岩上に自生するニシキギ科の半つる性常緑低木。温室の片隅で数ミリの小さな小さな花が人知れず咲いておりました。ハートのカタチの実がつくことから、近年「ハートツリー」の名で観葉植物として流通しています。
時計に似た花からこの名がついたとされます。上から3裂しているのが雌しべで、時計の針のように見えます。雄しべ5本は開花すると横向きになります。花冠(かかん)、いわゆる花びらの手前に糸状の副花冠(ふくかかん)もあって、精密機器のように構造が複雑ですね。トケイソウの仲間は中南米を中心に500種はあるとされ、こちらは花に香りがある品種。フローラルな香りです。
赤い花冠と白い萼を源氏と平家の旗の色に見立てて、この名がついたとされます。花が終わって、白い萼の部分がくすみカラーのピンクに色づいて、これはこれで、何の花?という感じできれいです。萼(がく)はつぼみの頃から花びらを支えていたり、花が終わった後も長く残り、種を次の代につなげるお仕事をしていたり、植物が生きていくうえで重要なパーツなのです。花が咲いた→きれい!というだけが植物ではないのですね。
名前のとおり、浜辺に咲く野生のキクです。這うように咲いています。北陸から九州の日本海側の砂浜や岩場に自生します。夏から秋にかけて、薄紫色の花を咲かせます。野生のキクは見分けが難しいですが、ハマベノギクはさじ型の葉っぱが特徴的です。
海浜植物の「ハマゴウ」の近縁種の半常緑性低木です。奄美大島以南の琉球、東南アジア、ミクロネシア、オーストラリア、東部アフリカにかけて広く分布します。ハマゴウとよく似た小型の花が咲き、実ができつつあります。葉っぱはハマゴウと異なり、名前にあるように三つ葉になっています。クローバーみたいに、たまに四つ葉もあったりするのかな?
秋の七草のひとつ「オミナエシ(女郎花)」の海岸型品種とされます。オミナエシより、背が低く、葉も分厚く、海浜植物らしい特徴を備えています。オミナエシは黄色の小さな花が集まって、美しいですが、醬油の腐ったような匂いがすることから「敗醤(はいしょう)」という生薬名があり、見た目とのギャップが面白いですね。
葉っぱがイチョウの葉に似て、「ハマイチョウ」ともいいます。5月の砂浜で花をよく見かけましたが、9月の砂浜でも花を見かけるようになりました。夏の間、休眠していたのか?地下茎がのびて花が増えたのか?不思議な植物です。
海岸で秋の訪れを感じられる植物。北海道や千葉県以北の太平洋側と鳥取県以北の日本海側、瀬戸内海沿岸に自生。漢字で海の蘭と書きますが、ランの仲間ではなく、オオバコ科の植物で、キンギョソウの仲間になります。砂浜の陸に近い場所、松林の下などでクリーム色の花がかたまって咲いて、海風に揺れ、魚が跳ねているみたいに見えます。
まだまだ残暑きびしい9月。一方で、秋の気配を感じさせてくれる植物もふえてきました。みなさんも秋の気配を探してみてくださいね。