海浜植物園と松田江浜

「海浜植物ってなぁに?」

ハマナス

ハマナス

海浜植物は、その名前のとおり、海岸や砂浜などに生息する植物のことです。
このような海浜地は、つぎのように植物にとって大変厳しい環境です。

  • 海水や潮風にふくまれる「塩分」は、ほとんどの植物にとっては大敵の成分です。
  • 砂浜は乾燥していることが多く、水や栄養が少ないです。
  • 夏は高温になり、紫外線も強く「砂漠」のような環境です。
  • 冬は強い風(季節風)が吹き、寒さがとても厳しくなります。
  • 葉や芽が、風に飛ばされた砂でおおわれてしまいます。
ハマボウフウ

ハマボウフウ

例えば、このハマボウフウは、根を地中に深く伸ばして水を吸います。根は太く、栄養をためることができるので、砂におおわれても生きていくことができる植物です。

この他にも、背が低く強風に強いものや葉が厚く乾燥に強いものなど、いろいろな工夫をしながら、海浜植物は生きています。

「富山湾と松田江浜」

海浜植物園の前に広がる「松田江浜」。白い砂と青い海、そして、世界でも珍しい風景の " 海越しに望む立山連峰 " を楽しむことができます。
平成26年10月には、富山湾が日本で2番目に「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟しました。

松田江浜
富山県地図

この松田江浜は、全長約3キロメートルで富山湾の西側に位置し、その中でも数少ない「人の手が加えられていない」自然の海岸を残しています。
松田江浜は古来から美しい砂浜として有名で、かつては万葉集の歌人・大伴家持により「松田江の長浜」として詠まれています。

今月の花だより

現在開花している植物

2025年12月19日現在

担当者からひとこと

日本神話に登場するガガイモの舟、昔の人はおもしろいことを考えますね。ガガイモという植物もイモはできないのですが、不思議な名前です。古事記や日本書紀が編まれた古代の日本は、豊葦原瑞穂の国(とよあしはらみずほのくに)と呼ばれ、水生植物のアシ(ヨシともいいます)が生い茂り、水路がはりめぐらされた水の王国だったのかな?そんな中、ガガイモの実が舟のように水辺を漂って、ふわふわの種が風に舞う幻想的な光景が身近にあったのでしょう。かつて、ガガイモ科という独立した科がありましたが、植物の分類の世界も人間様の世界と同様に再編統合が行われ、今どきのDNA解析に基づく分類法では、キョウチクトウ科の植物になっています。時代の流れというやつですね。

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